交通事故と健康保険制度について
病気をした時などに
病院で使用する健康保険証ですが、
交通事故の治療に対しても
使用が可能です。
事故に合った際に
万が一保険証を携帯していなくても、
後日提出することで
健康保険証を適用して
治療を受けることは可能です。
今回は交通事故における
健康保険制度についてお届けします。
自由診療と健康保険適用での診療の違い
健康保険を使用して受ける治療も
自由診療の治療、
つまり健康保険を使用することなく
全額自費で治療を受ける場合も、
治療内容にはまったく差がありません。
変わるのは
本人が負担する金額と、
病院が治療費を計算する際の「単価」
が異なります。
健康保険を使用して受ける治療に関しては、
医療点数の単価が
一律10円と定められています。
一方、自由診療の場合は、
名前が示す通り
単価をいくらにするかは
自由に病院側が決めてよいとされています。
多くの場合、
健康保険を使用する際の倍額の
20円が単価になることがほとんどです。
自由診療と健康保険を適用した場合の自賠責保険との関係性
交通事故の治療を自由診療で受けるか
健康保険を適用するかの違いは、
自賠責保険の支払限度額とも
大きく関係しています。
治療にかかった点数が
8万点と仮定して考えましょう。
つまり自由診療では
20円×8万点の160万円、
保険適用だと
10円×8万点の80万円が治療費
となります。
ちなみに自賠責保険の支払限度額は
120万円と定められています。
よって、自由診療で総治療費が
120万円を超えてしまった
その差額分の40万円は自己負担
となってしまいます。
一方の健康保険を適用した場合は、
自賠責保険で80万円を
治療費ですべてまかなうことができ、
かつ残りの40万円で
慰謝料や休業損害として使用することが
出来るのです。
健康保険は被害者には有利な制度
前述した通り、
健康保険を利用して治療を受けることは
被害者には非常にメリットがあります。
しかし病院サイドから考えると
手続きが煩雑な為、
嫌な業務でもあります。
そこで、
自由診療の治療を希望してくることがあります。
しかし被害者には
健康保険を利用する権利があるため、
健康保険の使用を申し出てください。
ちなみに、自由診療の場合は
病院側はかかった治療費用を
患者さんから受け取るだけで済みます。
しかし交通事故によって
健康保険を利用する場合は、
患者さんからは
健康保険を利用した負担分の治療費を受け取ります。
その後、健康保険組合に治療費の請求を行い、
金額を返してもらうという手順になります。
交通事故の被害者が、
健康保険を利用し治療を受ける場合は、
健康保険組合に
「第三者行為による傷病届」
を必ず提出してください。
まとめると以下のようになります。
・交通事故でも健康保険は適用できる
・健康保険を適用することで
自賠責保険限度額を有効に利用できる
・健康保険を利用して治療を受ける場合は
「第三者行為による傷病届」の提出が必要
是非覚えておいてください。