交通事故における損害賠償請求の流れ
交通事故後の損害賠償請求は
具体的にどのような流れで進んでいくのでしょうか?
自賠責保険に関しては
審査なども必要となるのが通常です。
今回は交通事故後の自賠責保険の請求から
支払の流れについて、
さらに任意保険の一括払いについてお届けします。
損害賠償請求から支払いの流れ
まずは自賠責保険における損害賠償請求から
支払がなされるまでの流れについてご紹介します。
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請求書と必要書類を、
加入している自賠責保険会社に提出 -
自賠責保険会社は
自賠責損害調査事務所に調査を依頼する -
自賠責損害調査事務所から
自賠責保険会社に審査結果が報告される -
自賠責保険会社は保険金を支払う
つまり提出した書類の最終判断は
自賠責損害調査事務所に委ねられ、
その審査結果をもとに支払が為される
という流れになります。
ちなみに
自賠責損害調査事務所が審査する内容には
大きく分けて3つあります。
・事故状況の照会→被害者及び加害者
・事故現場の調査→事故現場で検証
・医療照会→病院
上記の3つを勘案して、
自賠責損害調査事務所では
加害者が有責か無責かを判定します。
そして加害者の過失が30%以上と判断されると、
被害者に支払われる額は
減額される可能性があります。
また、判断が難しい事案や
高度な専門知識が必要とされる案件、
さらには異議申し立てに対する審査に関しては、
自賠責損害調査事務所から
自賠責保険(共済)審査会に
審査が移されます。
つまり最終的に
自賠責保険から提示された金額に
納得がいかない場合は
異議申し立てを行うことも可能なのです。
任意保険の一括払いについて
続いては任意保険における一括払い
についてお話していきます。
一括払いとは、
加入している任意保険が
自賠責保険と任意保険での損害賠償を
まとめて被害者に支払う方法です。
任意保険会社は
自賠責保険部分に関しても
立替えて被害者に支払いを行い、
後に自賠責保険会社から受け取る
という流れになります。
自賠責保険と任意保険の
損害賠償請求を分けて行うと、
被害者には
非常に手間と時間がかかってしまいます。
その為、一括払いという制度があるのです。
1つ注意点は、
示談交渉が長期化してしまった場合、
自賠責保険の本請求の時効が訪れてしまう
可能性があります。
そこで必ず
「時効中断申請書」を提出するようにして下さい。
任意保険の一括払いが不可能なケース
最後に任意保険の
一括払いが利用できないケースについて
ご紹介します。
1つ目は
任意保険の対象とならない事故です。
自賠責保険と任意保険の
両方の請求が必要な場合のみ
一括払いが可能となります。
2つ目は
賠償額が自賠責保険のみで賄える場合です。
自賠責保険で賄えない部分を
任意保険で請求するため、
賄える場合は
一括払いの使用の必要がなくなるのです。
このような場合は、
自分で自賠責保険会社にのみ
損害賠償請求を行ってください。
まとめると以下のようになります。
・交通事故における自賠責保険の損害賠償は、
自賠責損害調査事務所の審査を元に支払われる
・任意保険を窓口として、
自賠責保険と任意保険の両方を
損害賠償請求できる
・自賠責保険と任意保険の一括請求が
出来ないケースもある