心身症(パニック障害・適応障害)の症状とその原因、治療方法
今回は心の病気の1つとして
最近増えているパニック障害や
適応障害といった心身症という病気に
着目してお話します。
程度の差こそあれ
心身症の症状をお持ちの方は
決して少なくありません。
原因と治療法についても
合わせてご紹介しますので
参考にしてください。
心身症(パニック障害・適応障害)の症状とは?
まずは心身症のなかでも、
パニック障害と適応障害の
2つの病気について
その症状を見ていくことにしましょう。
パニック障害は
うつ病とも非常に関連性が強い病気であり
年々患者数も増加しています。
1992年にようやく世界保健機関において
病名登録された比較的新しい現代病とも言えます。
以下にパニック障害における症状をご紹介します。
・動悸
・息苦しさ
・胸の痛み、不快感
・吐き気
・身体の痺れ感や震え感
・寒気もしくは暑気
・多汗
・ふらつき、めまい
・強い不安感
パニック障害の症状が起こると
上記であげたような症状が発作的に起こり、
20~30分程度続きます。
また症状が起こっていない時も、
上記のような症状が
また起こってしまうのではという
不安感に強く襲われる傾向にあります。
そこで、満員電車を避けたり
以前症状が出た場所を避けるなど、
回避行動が多くあらわれ、
日常生活にも支障をきたします。
次に適応障害についてですが、
主に3つの症状が起こるといわれます。
1つ目は「精神的症状」です。
おもに落ち込みや不安感などの
マイナス感情が強く起こります。
理由もなく涙もろくなったり、
絶望感を持つことで
物事への集中力も著しく低下します。
また自分自身で
感情のコントロールがうまくできず、
泣き叫んでしまうということもあります。
2つ目は「身体的症状」です。
不眠、強い疲労感、頭痛、肩こり、
めまい、動悸などの症状が付きまといます。
3つ目は「社会的不適切な行動を起こす症状」です。
一般的な年齢にふさわしくない行動をとったり
社会的に当たり前に禁止されていることを
してしまうことがあります。
例えば、万引きや公共の場での落書き、
暴力をふるう、キケンな運転行為、
無断欠勤などの行動が見られます。
これらを自分自身で
コントロールすることが難しいのも
大きな特徴です。
心身症(パニック障害・適応障害)の原因は?
次にパニック障害の原因について
見ていくことにしましょう。
直接的な原因は
はっきりしていない部分もありますが、
環境が引き金となるケースと
遺伝などが関係するケースがあります。
環境というのは、
その人が育ってきた環境や
育てられ方による考え方や
性格の問題などが大きく関係します。
また両親の不仲や離婚、虐待、
逆に放置されて育てられたことによる影響も
多く受けます。
遺伝的な物でいうと、
不安を感じやすい性格だったり、
こだわりが異常に強いことなどが
原因となります。
繊細で人に対して優しさが強く、
かつ神経質な性格というのも特徴の1つです。
適応障害の原因として考えられるのは、
自身の価値観と
あまりに異なる環境に置かれた際に
おこりやすくなります。
例えば、肉親の死や転職、引っ越し、
出産などといった環境の大きな変化が
原因となりがちです。
ちなみに悪い環境の変化だけが
原因となるのではなく、
結婚など良い変化でも
それにうまくついていけずに
適応障害を起こすこともあることを
知っておきましょう。
心身症(パニック障害・適応障害)における一般的な治療方法
最後にパニック障害の治療法について
見ていきましょう。
まずはパニックを抑えるための治療として
薬などを使用していきます。
またパニックが起こるかもしれないという
不安が常にあり、実際にパニック症状が
再度起こることで不安感が増大する為、
できるだけ症状がでないようにすることが
大切になってきます。
その上で、
カウンセリングや認知行動療法といって
パニック発作が起こる状態にチャレンジし、
大丈夫だという安心感を付けていく治療も
とられます。
それらとともに
不安を取り除くために
身体の状態をマッサージなどで整えていくのも
大切なケアの1つです。
適応障害の治療法としては、
まずは心身を整えるという意味で
身体も心も休ませることから始めていきます。
またストレスや
適応障害の原因となっている出来事からは離れ、
時には環境も変えていく必要があります。
その上で、
症状が落ち着いてから
その環境にどう対応していくのかを
カウンセリングを含めて取り組むようになります。
パニック障害や適応障害を含めた心身症は
ストレスが原因となることも少なくないことから、
決して軽視できない病気です。
自分の気持ちを大事にすること、
身体に不調が出たらケアをするように
意識することも予防の観点で大切でしょう。