過失割合って何を基準に決められる？被害者にも過失あり？

交通事故に合い示談交渉の中で出てくるのが過失割合の提示です。
素人同士でも、9：1だなとか8：2が妥当だろうといった会話になるものです。

そこで今回は交通事故の過失割合について詳しく見ていきましょう。

過失割合は何を元にして決められる？

自身が加入している保険会社からも、
過失割合について話を聞かされることがあると思いますが、
そもそも過失割合って何が基準になっているのかと疑問ですね。

過失割合というのは、過去に起こった裁判の事例の中から、
今回の事故の状況に似通ったものを探し出し、それに基づいて決められています。
実際に、過失割合が交渉決裂となり裁判などに持ち込まれたときは、
この判例をもとに交渉がなされます。

例えば追突事故などのもらい事故だった場合、
ぶつけられた人は被害者であり過失はないと思いがちです。
しかし、実際に過失割合を決める場合は、
双方に少しでも動いていたことから被害者の過失はゼロではない、
つまり不注意があったのだとされるケースも少なくありません。

正直、被害者からすると納得がいかないと思うものですが、
歩行者と車との事故でさえ、
被害者である歩行者の過失がゼロとなることはほとんどないのです。

ただし赤信号で相手が突っ込んできたとか、
センターラインをオーバーして起こった事故などは、
被害者の過失がゼロとなることもあります。

交通事故において過失割合が重要視されるのは、
この割合が損害賠償額に大きく影響してくるからです。
具体的に例をあげると、
相手がもし怪我をした場合の治療費や故障や破損した車などの修理代
などに対する賠償額です。

また過失割合に応じて、
過失相殺が行われるということも忘れてはいけません。
過失の割合が10対0であれば、
被害者は治療費や修理費などすべての費用を相手に請求することができます。

しかし、被害者であるあなたにもいくらかの過失があるとされてしまうと、
その割合分は相手に請求することができないのです。

例えば、修理費と通院治療費合わせて100万円がかかった場合、
あなたの過失が1割あるとなると、
100万円×90％＝90万円しか相手からは賠償を受けることが出来なくなるのです。

そういった意味で、
事故の際の過失割合の交渉は加入している保険会社さんに
頑張ってもらわないといけないのです。

過失割合は少ないに越したことはないというのは誰しもわかることですが、
過失割合がゼロの場合に知っておきたい注意点が1つありますのでご紹介しておきます。

過失割合がゼロと判断された場合、
示談交渉をあなた自身でしなくてはいけなくなるという点です。
任意保険にはサービスとして示談交渉代行サービスがついていますが、
これはあくまでも賠償金を払わないといけない場合と限定されています。

その為、過失割合がゼロであり支払いの義務がない場合は
保険会社は示談交渉を代行してくれないのです。

ただし、ご自身で相手の保険会社と交渉するのはやはりストレスになったり、
不利な状況に陥ることも考えられます。
そこで、弁護士特約に入っている場合は、
自身で交渉せず弁護士に依頼することをおすすめします。

交通事故で良く聞く過失割合について
知っておきたい注意点などについてお話してきました。
ご自身が損をしてしまうとことがないように、
過失割合決定にはくれぐれも納得した上で、
示談交渉に移りましょう。